70代夫婦が暮らす住まいです。この家が抱える問題を聞くことからこの仕事がはじまりました。最終的には住みやすい「終の棲家」をキーワードにリフォームすることになり、依頼者と共にアイデアを出し合い、プランをまとめていきました。
　料理好きなお母さんの生活はダイニング中心。料理器具の収納や作業スペースに配慮し、各場所にアクセスしやすいコンパクトな動線を考えました。隣のリビングは、パソコン・読み書き・囲碁が趣味なお父さんの居場所です。引込み戸を操作すれば、普段使いで夫婦の居場所をつくったり、年に数回集まる大家族を受けとめる大空間にもなります。
　勝手口はほぼ玄関として機能していたので、住まいの出入り口に相応しい設えに作り直し、シームレスな木製手すりをデザインしました。
　リフォーム後の回遊性のある間取りは、ぐるぐる回る楽しさと便利な家事動線を生み出しています。